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 札幌市学級経営研究会夏の研修会を7月30日(火)に札幌市教育文化会館にて実施しました。今回は、研修会2回目となるFR教育臨床研究所所長 花輪 敏男先生です。不登校や特別支援教育についての認識と具体的な対応策について理解を深めることができました。

こんな研修会でした

 研修内容は、「FR式不登校対応チャート」と「通常学級で行う特別支援教育」の2本立てでした。どちらの研修も目から鱗が落ちるような思いになる学び多き研修で不登校や特別支援教育についての認識と具体的な対応について深めることができました。

1、不登校対応の目標

 最終目標は学校復帰であり、「自分で考え、決定し、行動できる」こと。すなわち社会の中での自立、社会の中で自分らしく生きていくことである。

 世の中には、学校に行かなくてもよいという考えをもつ人がいるが、子どもにとって学校は社会。その中で生きていけないのなら、実社会では生きていけない。人とかかわることで社会性は身につく。学校において、社会性を身につけさせる教育が重要となる。大人の引きこもりが大きな問題となっていて、実態もつかみきれていないというのが今の現状である。

2、不登校をガソリンの少ない自動車に例えて

これまでの取組として

<学校や家庭>

・動かすこと(スモールステップ、楽しい活動を用意する等)だけを考え、アプローチしてきた。 ⇒しかし、ガソリンがすくないので、すぐ止まる。

<専門家(専門機関)>

・ガソリンを入れることだけを考えてきた。 ⇒満タンをねらうので、時間がかかる。

解決のためには

①ガソリンを入れることを日常生活の中で行う。
②上手に動かすこと。
 ⇒ガソリンが入っても動かない。押してやらなければ動かない。動かすためには、専門的な技術がいる。ほとんどはまともな誘い方でうまくいかないことが多い。
③道路(学校とのパイプ)がつながっていること。

・これまでは、本人が動き出すまで待ちましょう。登校刺激はよくないので避けましょう。温かく見守りましょう。しかし、現状はただ待っていても解決しない。積極的に「かかわる」必要がある、「かかわり方」の研修が大事。

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3、FR式不登校対応チャート

6つの段階があり、その段階に応じた対応が効果的。ただし、これはマニュアルではない。視点を整理したものである。

①認識

 不登校という問題について、どう捉えればよいのか、不登校児童の行動をどう理解すればよいのか。周囲の大人たちの認識を変える段階。 不登校の原因追及はやめ、学校に行こうと思っているのにいけない「すくみ反応」であることを理解してあげる段階。

②援助指導

 ガソリンを入れる段階。不登校児童に対する援助・指導(専門機関での指導も含む)と家族に対する援助・指導が並行して行われる段階。日常生活に起きる小さな出来事を材料にしながら、本人の成長やよりよい家族関係を目指して具体的にかかわっていく。

家庭へのアドバイスの原則

感情をキャッチすることに全精力を傾ける。
日常生活の中で自主性を育てていく。
要求やトラブルはチャンス!!

本人へのアプローチ

登校を強要したり、いたずらに原因追及したりすることは避ける。
アンビバレンツ(相反する葛藤状態)な心理状態にあることを理解する。
ネガティブな気持ちと学校へ行きたい気持ちが同居している。

頻繁に家庭訪問をすることが重要

家庭訪問がないと、ほとんどの子は学校から見捨てられたと思うようになる。

○家庭訪問のポイント①・行動で伝える
 「君の心の中に土足で入り込むようなことはしない。決して無理強いはしない。でも、先生は君のことをクラスの一員として、とても大事にしている」

○家庭訪問のポイント② ・短時間。定期的よりもランダムに行う。
 定期的な家庭訪問は事務的に感じてしまう。

○家庭訪問のポイント③ ・無理に会おうとしないこと。
 訪問が決して登校を促すためではないことをうまく伝える。
 学校に来いと言わないことがわかると子どもは出るようになる。

○家庭訪問のポイント④ ・朝よりも午後から。・日曜日より土曜日。
 日曜の訪問は、明日からがんばれと言われた気持ちになってしまう。

○家庭訪問のポイント⑤ ・学校からのお知らせ、プリント類は確実に渡す
 情報漏れはないようにする・本人が選択できるような伝え方をする。
 家庭で、学校のプリントを置く位置を決めておくなど、読む読まないを本人が選択できるようにする。

○家庭訪問のポイント⑥ ・会うことができたら
 初期には学校の話題を避け信頼関係を結ぶ。
 自然な会話(雑談を)を行う。

③チェック

心的エネルギーと学校への関心度をチェックする。

<心的なエネルギー・チェック>
・外出するようになる。
 ⇒他人の視線を気にせず外出できるようになるとエネルギーが蓄えられている。
・生活のリズムが整ってくる
 ⇒ガソリンのバロメーターである。ガソリンが入ると自然と整ってくるもの。
・手伝いなどをするようになる
・退屈し始める。
 ⇒調子が悪い時は退屈と感じていない
 ⇒退屈とは、やれるエネルギーがあるのに、やることがない時に生じる

<学校への関心度・チェック>
・学校の話題を自分から出す
・筆記用具、教科書や制服等をさわる
 ⇒制服と教科書は大嫌いなものである。

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④積極技法

 積極的に再登校のための訓練をする段階。心的エネルギーが充たされ、学校へ気持ちが向いてきていることが確認されたら、再登校へ向けて積極的に準備を始める. 学力・体力の補充、積極的な登校指導をはじめる。

⑤再登校

 各段階を経過し、条件が整えば再登校に結び付く。しかし、この段階は慎重に対応しなければならない段階でもある。本人に対しては、再登校してからも無理をかけないよう十分配慮が必要(ブレーキをかける必要)。担任は明るく学級経営に努める必要がある。

⑥フォロー

 再登校後、「自分で考え、自分で決定し、自分で行動できる」という真の解決になっているか見極めていく必要がある。
 ・自ら不登校時の心理状態や対応についての感じ方などを話してくることが多い。教師はそれに積極的に耳を傾けることが重要である。不登校児童から得られた豊富な状況は、今後不登校が出た場合の対応に役立つばかりか、予防の面にも大いに参考になる。

研修会案内広報

 昨日、事務局会議があり、6月上旬に研修会の1次案内を発送することになりました。各学校に下記の文書が届くことになりますので、周りの先生方に勧めていただけると嬉しいです!

札学経夏の研修会広報PDF 

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