11月25日(水)札幌市立新陵東小学校にて、今年度の学級経営研究会の研究大会を行いました。今年は5年生の『道徳』です。また、北翔大学大学院 生涯学習学研究科教授研究科長の山谷敬三郎先生をアドバイザーに迎え、学級の状態に合ったよりよい手立てを考えていくひとつの情報にQ-Uを活用し、学級経営や授業作りに生かせるように考えてきました。

研究大会のご案内

大会の概要・日程

平成27年11月25日(水) 新陵東小学校 13:15~

授業者 原子拓郎教諭

 5年生「道徳」なまけ忍者

 高学年になり、思っていることを素直にいいあえない面も見られるので、本音で自分の気持ちをぶつけ合えるようにさせたい。また、相手の気持ちをしっかり聞いてから、自分の気持ちを伝えられるような子どもたちに育てたい。今回はそんなイメージで授業をつくっていきたい。(授業者の思い)

◎大切にしたいこと「授業においての学級経営」

 子どもの学校生活におけるほとんどの時間は「授業」です。したがって、学級経営を考えるとき、「授業」において学級経営を進めるという視点は欠くことができません。当会の研究大会では、教師の見取りに加え、Q-Uの情報を加えることで、学級の状態を客観的に捉えることを意識し、子どもの実態に合った授業づくりを行っています。授業を展開しながら同時に学級づくりができるような授業を提案したいと考えています。 今年度は5年生「道徳」での提案です。

◎ご助言者 山谷敬三郎先生 

北翔大学大学院 生涯学習学研究科教授研究科長

 本年度より、Q-Uを学級経営により生かすために、ご助言していただく先生をお願いしています。北海道では数少ない本場の河村先生の研究室出身でQ-Uを生かす研究をなさっている先生です。

研究大会報告

◎研究討議より

学級の実態から授業を考える

 授業作りでは、2回のQ-Uを分析し学級の実態がどうであるかという仮説をたて、それをより良い方向へ向かわせていくためにはどのような題材で、どのような関りをしていくことが良いかを考えてきました。今回の授業では、望ましい人間関係づくり・学級としての意識を向上させることと、最高学年に向けての意識化をさせることの2点に重点を置きました。

授業後の検討会は、グループで成果と課題を出し合って全体で交流。さらにポイントを絞りながら、満足型学級を目指す授業作りのポイントを探っていきました。

「なまけ忍者」で問題を外在化

 授業展開の中で、なまける自分が悪いという立場ではなく、「なまけ忍者」と自分を切り離して客観的に見ることで、「なまけ忍者を追い出すためにどうするか?」という視点で対処法を考えさせていきました。ただ、今回の授業が「最高学年に向けての意識化」というねらいもあったことから、自分事から学級、学校のことへ結び付けていく関りの必要性や難しさが課題となりました。

聴き合い活動

 どの子も受け身にならず、自分から意見を伝えていけるような場として、「聴き合い活動」を設定し、お互いの良さを認め合い、仲間の大切さを実感させたいと願いました。授業後の検討会では交流の必要感を生む難しさも話題に上がりましたが、子どもたちの表情や活動の様子から、このような場を意図的に設定し、子ども同士の関り合いを増やしていくことの大切さも見えてきました。

可視化の良さ

 大会授業の中で、心の葛藤を見えるようにしたアイテムが登場しました。画用紙を2枚重ねて色が変わっていくようにしたものですが、抽象的なものを「可視化」する関りはいろいろな授業・場面で活用できそうです。なまけ忍者の声が本当に聞こえると思っていた児童もいたようで、子どもが課題をどうとらえて理解するのか、またどこでつまづき、どんなステップを踏めば共通の土台に乗るのかを授業作りでは考えていく必要性があることを改めて気付かされました。

山谷先生のご講演より

 90分の講義内容を50分でお話ししていただきました。Q-Uの見方や生かし方を、本時の授業や子どもたちの様子と結びつけていただいたので、本当に分かりやすくて、とても勉強になりました。Q-Uの良さは、「学級の状態を客観的に捉えて話題にできること。」ですが、まさにそのことをわかりやすく解説していただけました。集団と個にどうアプローチしていくか、また、ルールとリレーションの状態からどのような手立てが有効なのか。子どもの実態を捉える視点をもつことってとても重要だということを再認識しました。

 

研究大会を終えて

参会者のコメント(アンケートより)

・学級経営を客観的に捉えるためにQ-Uは素晴らしいアイテムだと思いました。また、実際の活用方法についても学ぶことができ、非常に勉強になりました。

・大変勉強になりました。Q-Uの生かし方が詳しく分かったので、これから自分の学級経営にも生かしていきたいと思います。学級のお話しと照らし合わせて見ることができたのでとても分かりやすかったです。

・実際に授業を見た後に、そのクラスを事例に出しながら学級経営について話を聞くことができて、ためになりました。

・授業実践を通して、Q-Uをどう生かせばいいのか具体的な取組を見せていただくことができて良かった。他の先生ならどうするのかということも勉強になりました。

・山谷先生のお話もとてもわかりやすくて勉強になりました。貴重なお話を伺えてとても良かったです。

Q-Uとは(図書文化ホームページより 一部編集)

 楽しい学校生活を送るためのアンケートQーUは、子どもたちの学校生活における満足度と意欲、さらに学級集団の状態を調べることができる質問紙です。全国の多くの小中高等学校で活用されています。

◆QーUの目的
「よく頑張っているな」「最近ちょっと元気がないかな」などと、教師は子どもたちの成長を日々見守っています。しかし、観察だけではどうしても気付けない部分があります。また、大人からすると意外な感情を子どもが抱いている場合もあります。そのような、教師の観察と子どもの実態のズレを補うのがQーUです。
◎一人一人のデータから、不登校になる可能性の高い子ども、いじめを受けている可能性の高い子ども、学校生活の意欲が低下している子どもなどを発見し、早期対応につなげます。
◎学級全体のデータから、「なれあい型」「管理型」など、集団の傾向をタイプ別に把握します。この結果から、教師はこれまでの指導を見直し、問題解決に向けて学級経営や授業を工夫することができます。

 本会では、QーUの結果を生かして、学級のルールとリレーション作りを進めたり、授業づくりをしたりする実践を積み上げています。

研究大会の広報はこちら

ぜひたくさんの先生方のご参加をお待ちしています。

20153

 なお、研究大会指導案や資料は会員特典コンテンツに掲載していますので、会員の方はIDとパスワードでログインしてご覧ください。